2010年 11月 08日
今回、淡路島へ来た目的は2つあると言った。 次に目指すは洲本市。本丸の"あさひ餅"である。 昔ながらの商店街の一角、パチンコ店の横に、ひっそりとその店はあった。 何も知らずに通りかかったら、まず間違いなく素通りしてしまうような佇まいである。 店内には誰の姿も認められないが、私は知っている。このインターホンを押すと、おじさんが出てくることを・・・ ボタンを押し、ほとんど待つこともなく現れたのは、独特のオーラを放つ店主である。 ガラス戸を開け、いきなり 「いらっしゃい。ちょっとこれ食べてみて」 と浮島を手渡す。(なんとサランラップで包んでる・・・) 続けて何かを作り始めた。 これが噂の最中らしい。(この皮も手作り。パリパリして上顎にくっつかず、非常に美味しかった) ちょっと遅れたが、ここであさひ餅について説明をしておかなければなるまい。 このお店は100年以上の歴史ある老舗の和菓子屋で、おじさん1人で切り盛りしている。 しかも営業時間は20時間。 1人で全てをやってらっしゃるので、お菓子を作っている間も営業している。 だからインターホンが店番代わりという合理的な手法を考えついたのではないかと推察した。 ただし、営業時間中でも寝ている時は出てこないこともあるらしい・・・ で、「はい、これも食べてみて」 手作りの皮に、小さめの大福が挟まれている・・・ 美味しい!これが非常に美味しいのでる。(この大福は最中用で、単品販売はしてないらしい) 我々が喜んでいる様子を見て、次から次へと試食させてくれる。 クロワッサン(2つ)、最中(3つ)、浮島(1つ)、スイートポテトパン(1つ)、薩摩芋の金つば(1つ)・・・ 「おじさん、大丈夫?こんなにくれたら商売になりませんやん・・・」 と心配するも、 「いや、大丈夫や」 と、気にする様子もない。 「おじさんとこのお菓子、ほんとに美味しいですね!みんなに宣伝しときますわ」 と言うと、 「うん、宣伝しといてや!こういう口コミが大事なんや。もうちょっと浸透してきたら、HPも立ち上げようかと思ってる」 とのこと。こう見えて、情熱と野心が燃え滾っているのを感じた。 さらに話は過熱し、 「ちょっとこれ見て」 と、おじさんが取り出したのは、 「これ、ウチで使うてる葡萄の天然酵母。ウチのは一切保存料とかは使ってないからね」 と鼻孔を膨らます。 最初に説明したが、ここは"餅屋"である。 しかし、おじさんは研究熱心な方で、和菓子に限らずパンも作っている。 他に洋菓子も作るし、かと思えば赤飯なんかも並んでいる・・・ ただ闇雲に作っているのではない。 おじさんは和菓子だけに拘らないのだ。興味を持ったものを納得いくまで研究する。 とにかく美味しいものを提供したい。ということらしい。 それが証拠に、どれもこれも全て美味しい。懐かしい手作り感満載ではあるけれど・・・ とはいえ、特にパン類は本格的で、わざわざ店頭に幟を立てているのが分かる気がした。 話し込んでいるうちに、おじさんワールドにはまってついつい大量の注文をしてしまった。 バケット、デニッシュ、食パン2種類(半斤ずつ)、みたらし(2つ)、草餅(2つ)、おはぎ(2つ)、最中(5つ)・・・ 「おじさん、いくら?」 「え~と、ちょっと待ってや・・・1620円になります」 一瞬、耳を疑った。 「えっ!せ、1620円!?」 「うん、1620円。おおきに、また来てや」 と・・・ あれだけ試食しまくりで、あれだけ買って、1620円・・・ この記事を見た皆さん、淡路島へ行ったら、是非あさひ餅に寄って欲しい! 試食しまくりで、おじさんとのディープな会話が楽しめるし、とにかく激安で美味しいから・・・ (おじさん、約束どおり、宣伝しといたよ・・・)
by hochamt
| 2010-11-08 10:45
| Essen
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